こんにちは!
しばらく前から石油燃料の高騰が続いていますね。
食品も日用品もお酒も家電製品もすべて燃料を消費して市場に出回っていて、これからも値上げが予想されます。
さらに、毎回刈っても刈っても生えてくる厄介な雑草の為に燃料や除草剤を買うお金も馬鹿になりません。
農家、農園、家庭菜園も例外ではなく、価格の高騰は一次生産者のお財布に大打撃を与えます。
毎回刈っても刈っても生えてくる厄介な雑草に燃料や除草剤を買う費用を抑えたいですよね?
私もその一人で「肥料や燃料・除草剤にお金を掛ける位なら種や苗に掛けた方がよっぽど生産的だ」と思うほどでした。
そんな家庭菜園を二年以上無肥料で野菜を栽培してきた私が雑草堆肥を作る事で得られるメリットを教えます。
普段から処分に困っている雑草や野菜くずを有効活用し、無肥料で野菜を育てて見ませんか?
この記事は、
・雑草堆肥ってどうなの?
・出来るだけ費用を抑えたい。
・無肥料栽培に切り替えたい。
・刈りっぱなしの雑草や野菜くずを再利用したい。
という疑問や悩みを持つ人に向けた記事です。
こちらでも雑草堆肥を紹介しています👇️
雑草堆肥で安くて美味しい野菜が栽培できる
雑草堆肥は、雑草や野菜くずを堆肥化することで、半永久的に野菜を作る事が出来きます。
肥料は植物の元気の素
植物は土の栄養分で発芽~成長~収穫までいくと、植物の成長が遅くなったり、病気にかかり易くなったり、収穫量が下がってしまいます。
そこで、肥料を加えることで消費した栄養分を補給し、野菜を丈夫に実らせます。
堆肥(たいひ)って何?
まず、堆肥には、鶏糞、牛糞、豚糞、馬糞などを熟成した動物性堆肥とバーク、稲ワラ、もみ殻、腐葉土(落ち葉など)を熟成した植物性堆肥があります。
堆肥には
・動物性堆肥(鶏糞、牛糞、豚糞、馬糞など)
・植物性堆肥(バーク、稲ワラ、もみ殻、腐葉土など)
がある
植物性堆肥は全体の通気性や保水性を改善する堆肥
植物性堆肥は、土壌改良効果が高く、土全体の通気性や保水性がよくなることで、柔らかく植物が育ちやすい土壌にしてくれます。
特に稲ワラやもみ殻は、炭素を多く含んでいて通気性を良くし、土壌微生物の住処になります。
バークや腐葉土は保水性を高め、土壌微生物を活発にしてくれます。
農家さんは主に土壌改良目的でよく使われています。
動物性堆肥は三大栄養素を多く含む堆肥
動物性堆肥は植物性に比べ、植物の成長に必要な三大栄養素を多く含む堆肥で、多くの農家さんは耕す時は必ず使用すると言っていいほどよく使われる資材です。
牛糞は炭素を多く含み、土壌改良効果が期待できますが、肥料効果はじわじわ効いてきます。
鶏糞は、他の堆肥と比べて肥料成分含有量が多く、土壌改良効果はほぼありません。
豚糞は、牛糞と鶏糞の中間くらいの肥料成分含有量です。
植物の三大栄養素は窒素・リン酸・カリウム
野菜や雑草・樹木も含めて植物の栽培に必要な三大栄養素は窒素・リン酸・カリウムと言われていて、足りなければ植物は成育が遅く、根の張りが弱く実も小さくなります。
そこで堆肥や肥料を混ぜてやることで植物はスクスクと成長します。
肥料を買わなくても野菜を栽培できる
ホームセンターなどで売られている肥料はバランスがとれていて、適量加えるだけで手軽に野菜を育てることが出来ます。
ただ、畑の面積や土質、育てる野菜によっては肥料の種類や量が増えてしまい、費用が嵩(かさ)んでしまいます。
以下は堆肥と肥料を雑草堆肥に置き換えて栽培した場合の解説となります。
ジャガイモ・化学肥料で栽培した場合
今回は比較的に栽培しやすいジャガイモで説明します。
ざっくり計算すると…
・栽培面積 ➡ 約12㎡(1.5m×8m)
・土壌改良資材 ➡ 鶏糞1kg/約300円~+腐葉土1袋 20L/約1,000円(粘土質の場合)+苦土石灰1袋 1kg/約200円~(酸性土壌の場合)
・化成肥料 馬鈴薯(ばれいしょ)➡ 1袋 550g/約250円~
・種芋 男爵(ジャガイモ) ➡ 1袋/約14個 1kg/約398円~
・種芋の植付け(半分に切る) ➡ 1条/2畝/株間30cmで植える(約28株)
〇植付け~収穫まで約3ヶ月 ……… 約1,948円~2,148円
〇総収穫量(種芋1株辺り約3~6個で計算)……… 約84~168個
…となります。
およそ126個前後はできる計算です。
ジャガイモ・雑草堆肥で栽培した場合
上記と同じ条件で土壌改良資材と化成肥料を抜いて計算すると…
・栽培面積 ➡ 約12㎡(1.5m×8m)
・土壌改良資材(粘土質) ➡ 雑草堆肥/ 0円(雑草・野菜くずなど)
・化成肥料 ➡ なし
・種芋 男爵(ジャガイモ) ➡ 1袋 約14個 1kg/約398円~
・種芋の植付け(半分に切る)➡ 1条/2畝/株間30cmで植える(約28株)
〇植付け~収穫まで約3ヶ月 ……… 約398円~
〇総収穫量(種芋1株辺り約2~4個で計算)……… 約56~112個
…となります。
結果は種芋のみでグッと下がりますが、肥料を使わないせいか収穫量も下がってしまいます。
それでも雑草堆肥を使うメリットは下に書いた通りです。
短期間で無肥料栽培へ切り替える事ができる
それまで化学肥料で栽培してた畑は、動物堆肥や肥料に頼り地力が育たない状態でした。
例えば、化成肥料を与えないでいても、1年・2年目は前年の肥料が残っていて上手く出来るでしょう。
ですが、3年目くらいから畑に含まれる肥料成分が消費され上手く育たなくなってきます。
化学肥料を使用した方が管理がしやすい
そもそも、スーパーで並んでいる野菜は消費者に安定して安心して安く購入してもらいたいという思いから、管理し易くするために農薬や化学肥料を使用しています。
それとは違い、無肥料栽培は化学肥料を使わず、雑草や野菜くずなどを堆肥化した雑草堆肥を使用し栽培しています。
以下の説明でそれぞれの特徴を紹介します。
化学肥料のメリット
・管理がし易くて大量生産に向く
・野菜が簡単に育つ
・原因の究明がし易い
化学肥料のデメリット
・雑草も肥える
・市場価格に影響を受ける(価格高騰)
・お金が掛かる
・肥えた野菜に虫が群がる
化学肥料の特徴は、加えることで野菜を効率的に肥やし、症状から病気を特定し易く、知識があると比較的に対処がし易いのが特徴です。
雑草堆肥は半永久的に活用できる堆肥
雑草堆肥は有機物を微生物に分解してもらうことで、雑草に含まれる栄養を土に戻し、野菜の栽培で繰り返し活用できる堆肥です。
雑草堆肥のメリット(無肥料栽培)
・雑草や野菜くずを堆肥として再活用できる
・栽培する畑の土で堆肥にするから、すぐ馴染む
・お金が掛からない(ほぼ無料)
・無肥料栽培や有機栽培などのスターターになる
雑草堆肥のデメリット(無肥料栽培)
・栄養は少なく緩やかに効く為、肥料としては不向き
・野菜の病気を媒介してしまう可能性がある
・熟成されるまで定期的に混ぜる必要がある
・完熟まで3~8か月必要
雑草堆肥の特徴は、熟成するまで数か月を要し、今年に使用する堆肥は去年の内に作っておく必要があります。
雑草や野菜くずを堆肥にできる
農家さんや家庭菜園している人は分かると思いますが、雨が降った後の雑草は元気いっぱいに生い茂り、刈ってから2週間もあれば元通りになるほど成長が早く、かといって雑草を伸ばしっぱなしにしていると御近所さんからクレームが来てしまいます。
それに、刈った雑草も場所を取り、畝(うね)立て時に混ぜてしまうと野菜の成育に支障をきたします。
巷では、
「野菜は肥料が無いと良く育たない」
とよく聞きます。
それなのに、人の手が加えられていない土手やあぜ道などからは雑草がこれでもかというくらいに生い茂っています。
では、なぜ自然に生えている雑草は毎年同じ所から生えてこれるのでしょうか?
自然に生えている雑草は自然循環で廻っている
ここであげている自然循環というのは大まかに…
植物が枯れる➡風雨に晒され分解される➡虫やミミズが食べる➡糞を微生物が食べる➡堆肥化する➡種が発芽し植物は成長する➡種子を残し枯れる➡風雨に晒され分解される➡etc.
…というループの繰り返しで循環しています。
種子を残した植物は枯れ、風雨に晒され腐敗や乾燥により荒く朽ちて分解されていきます。
さらに、ダンゴムシやミミズなどの土壌動物が食べて分解し、土壌生物が分解できなかった物を微生物(菌類など)がさらに分解したのが堆肥で、その循環を模して作ったのが雑草堆肥です。
こちらでも雑草堆肥を紹介しています👇️
まとめ
ここまで、雑草堆肥で2年以上育ててきた私が雑草堆肥を作る事で得られるメリットについて解説しました。
・雑草堆肥を使うと安くて美味しい野菜が出来る
・肥料を買わなくても野菜を栽培できる
・雑草や野菜くずを堆肥に出来る
・短時間で無肥料栽培へ切り替える事が出来る
本記事を読むことで、野菜作り以上の知識を得られたはずなので、もう悩むことは無いと思います。
さらに、雑草堆肥は畑の土を緩やかに肥やす事で美味しい野菜が出来る上に畑の地力が育つ手助けになります。
雑草や野菜くずを堆肥にする事で、化学肥料に頼らず永続的に栽培する事ができ、尚且つ自然循環を体験しつつ、植物・動物・昆虫・微生物の力を借りて野菜を栽培できるのはとても良い学びとなります。
野菜作りのお役に立てて頂ければ幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。